ガラスびんの
主張
 
ガラス製哺乳びんが選ばれるわけ
〜環境ホルモン騒動記、その後〜

○騒動の始まり

 1997年9月26日、毎日新聞の紙面に次のような見出しが踊りました。「ほ乳瓶はガラスが安全?--プラスチック製は女性ホルモンに似た物質を溶出」。この頃、ポリカーボネートという種類のプラスチック製哺乳びんや、給食で使われていた同じ素材の食器から、相次いで環境ホルモンの一種、ビスフェノールAの溶出が確認されました。そして各紙がいっせいに環境ホルモンに関する記事を報じ、世の中が騒然となったのです。
 環境ホルモンとは、体内に取り込まれると、女性ホルモンに似た働きなどをすることから内分泌撹乱物質とも呼ばれています。この無気味な物質は、おもに農薬やプラスチック関連物質に含まれています。アメリカでは80年代初頭から、ワニのオスの生殖器が異常に小さくなるなどの自然界の異変が相次いで報告され、化学物質との関連性が指摘されるようになりました。日本でも、巻貝の一種であるイボニシのメスの生殖器がオス化するなどの異変が見つかり、1998年、当時の環境庁は内分泌撹乱作用の疑われる物質として65種類をリストアップしました。その中にはもちろん、ビスフェノールAも含まれています。

環境省 環境ホルモン問題
http://www.env.go.jp/chemi/end/index.html

○環境ホルモンの恐怖

 このような恐ろしい物質が、子供がじかに触れたり口にしたりする哺乳びんや給食の食器に含まれているというのですから、行政を巻き込んでの大騒動に発展するのも無理はありません。さらに、日本人の20才男性の精子が40才に比べて半分以下であるという驚愕の研究結果が報告され、世界中からも同じような報告が相次ぎました。このままでは本当に人類が滅びるのではないかという不安から、当時の多くの報道はまるで、環境ホルモン狂騒曲のような様相を呈していたといえるでしょう。
 精子の減少と環境ホルモンとの因果関係ははっきりしていませんが、40年前にはプラスチック製品はまだそんなには普及しておらず、哺乳びんはほとんどがガラス製でした。20年前にプラスチック製哺乳びんがもっとも台頭し、全体の50%を占めるようになったことを考えると、偶然とは言い切れないような気がします。また、缶コーヒーなどの缶の内側に、つい最近まで、さび止めの目的でビスフェノールAを含むプラスチック樹脂が塗られていたのも、あまり知られていない事実です。

○いつでも安心、ガラスびん

 さて1990年代に入り、おおよそ7対3の割合で推移していたガラス製哺乳びんとポリカーボネート製哺乳びんですが、記事が掲載された1997年以降は、環境ホルモンへの不安を反映し、ガラス製が約9割近くを占めるようになります。2000年にはポリカーボネート製哺乳びんに関する製造や取り扱いに関するガイドラインが策定され、環境ホルモンを含まない代替素材のポリエーテルサルホン製の哺乳びんも発売されました。行政や各業界とも環境ホルモン対策はいちおう一段落し収束に向かっているようですが、現在もガラス製哺乳びんの割合は高いままです。このことは、一度抱いた商品への不信感が、そう簡単にはぬぐい去れないものであるということを物語っているのではないでしょうか?
 乳幼児を持つお母さんへのアンケートには、ガラス製哺乳びんは衛生的イメージが良いという意見が多く寄せられます。天然の硅砂などを原料にしてつくられるガラスの安全性は、5千年の歴史が証明しています。日本ガラスびん協会では1998年に安全対策委員会を設け、組成分析や環境ホルモンの溶出の有無などについての調査研究を行いました。もちろん、結果はまったくのシロでした。一連の環境ホルモン報道で世の中が大騒ぎになっている間に、ガラスの安全性が再確認されたという次第です。

日本ガラスびん協会 食の安心・安全

 
ガラスびんフォーラム 〒169-0073 東京都新宿区百人町3-21-16
日本ガラス工業センター3F
TEL 03(5937)5861
FAX 03(5389)7010
Copyright(C)2004-2014 Glass bottle forum Japan all right reserved.